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システムアドミニストレータ(シスアド)とは?業務や責任と期待される役割

2024.11.20更新
    システムアドミニストレータ(シスアド)とは?業務や責任と期待される役割

    システムアドミニストレータ(シスアド)は、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステムなど、企業のインフラストラクチャ全体の設定と管理を担います。
    DevOps環境では、従来よりも開発と密な連携を求められることが増えています。
    今回は、シスアドのコア業務や必須となる知識について見ていきながら、DevOps環境でのシスアドの役割について説明します。

    システムアドミニストレータ(シスアド)の業務5つ

    シスアドは、企業のIT環境の管理・運用を担うポジションです。
    おもな業務には、次の5つが挙げられます。

    1️⃣インフラストラクチャの構築と管理

    自社の顧客とアプリケーションに対応するすべてのハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステムの構築・管理を行ないます。
    すべてのサーバーは、常時円滑に稼働させなければなりません。
    必要なソフトウェアのインストールとアップデートに加え、現状のシステムに課題が生じた場合には、技術面のブラッシュアップも実施します。

    2️⃣ユーザーアクセスや権限付与の管理

    情報漏洩を防ぐために、アクセス権限やユーザーのアカウントを管理します。
    ユーザーログインとSSO(シングルサインオン)ポリシーの管理や、ログイントラブルの対応、パスワードリセットなどの対応も必要です。

    3️⃣バックアップと復旧

    企業のインフラストラクチャとデータのセキュリティ確保は、シスアドが担う非常に重要な業務です。
    サーバーやアプリケーションの問題発生時に備えて、毎日バックアップを行なって安全対策を講じます。
    また、問題の復旧と正常稼働に携わり、顧客体験の低下や収益損失の防止に努めます。

    4️⃣モニタリングとアラート発信の管理

    発生したインシデントを素早く検知するために、重要なネットワークのメトリクス(CPU、使用状況、DNSの状態、レイテンシなど)を注意深くモニタリングします。

    関連記事: インシデント管理でモニタリングすべきメトリクスTop 10

    5️⃣問題解決とトラブルシューティング

    問題発生時に、解決策を打ち出して企業全体のセキュリティを確保することは、シスアドの重要な役割です。
    近年では、サイバーセキュリティの脅威が増大していることから、セキュリティ確保の重要性が増しています。

    システムアドミニストレータ(シスアド)の役割と求められる知識・スキル

    シスアドは、システム環境の管理・運用や環境提案などに携わります。
    DevOpsの環境では、シスアドは開発に密に関わり、定常業務以外のさまざまなタスクをサポートすることも頻繁にあるでしょう。
    シスアドに求められる知識やスキルには、以下が挙げられます。

    ウェブサーバーのセットアップと保守の知識

    シスアドは、サーバーのセットアップと管理に関する知識を身につけましょう。
    さまざまなサーバーの設定と保守はシスアドの主要任務であり、サーバーの安全性の確保と円滑な稼働はシスアドの責任になります。
    近年では、クラウド化や仮想化に関する知識も必要です。

    DHCPの理解

    DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)では、当該ネットワークにおいて、さまざまなデバイスに自動的にIPアドレスが割り当てられます。
    適切な設定や保守を行なえるよう、アドレスの配布範囲やリース期間、FWの設定などについて、深く理解しておくことが必要です。

    主要なDevOpsツールの習得

    IaC(Infrastructure as Code)により、システム構築や管理が自動化できます。代表的なIaCツールとして、TerraformやAnsibleなどが挙げられます。また、JenkinsやRundeckなどの自動化ツール、コンテナツールであるDockerなどの主要なDevOpsツールを習得しましょう。
    ツールの活用により、業務効率化を図れ、確実性も高められます。インシデント管理ツールとの接続も可能です。

    問題解決とトラブルシューティングのスキル

    シスアドは、企業のインフラストラクチャで発生する多種多様な問題の解決に努めます。
    しかし、問題に対応するための具体的なソリューションやランブック(手順書)が存在しないこともあるでしょう。
    シスアドの仕事は、問題発生時にソリューションを特定し、再発を防ぐことです。
    問題は必ず発生するものであり、問題が起きてから実地で対応しなければなりません。そのため、問題解決とトラブルシューティングのスキルを磨く必要があります。

    システムアドミニストレータ(シスアド)としての価値を高めていくためには

    シスアドは手掛ける業務範囲が広いため、専門性を高めにくいと感じる方もいるでしょう。
    シスアドとしての価値を高めるために、取り組みたいポイントを紹介します。

    プラットフォームエンジニアリングやSREについて学ぶ

    DevOpsの実践にあたり、SRE(Site Reliability Engineering)やプラットフォームエンジニアリングに関する知識も重要です。
    SREは運用面から、プラットフォームエンジニアリングは開発面からのアプローチで、信頼性と効率性の向上に貢献します。

    生成AIに関する知識を身につける

    近年では、ビジネスでの生成AIの活用が急速に進んでいることから、シスアドにはAIに関するスキルが必須といえるでしょう。
    ヘルプデスク業務やコーディング支援など、生成AIで代替可能な業務も多く、業務効率化には欠かせません。

    コミュニケーション能力を高めることも重要

    シスアドは、経営層や開発部門、業務部門との間に立つ存在であり、コミュニケーションが求められることも多くあるでしょう。
    そのため、シスアドにとってコミュニケーション能力を高めることは重要です。
    また、環境改善やサポートには、ヒアリング力も求められます。

    まとめ:システムアドミニストレータ(シスアド)はIT環境を支える重要なポジション

    シスアドは、企業のIT運用において重要な役割を担っています。

    問題解決とトラブルシューティングに絶えず関わるため、日々新しいスキルとテクノロジーの習得が可能です。他部門と密に連携しながら、業務を進めていきましょう。

    PagerDutyのブログでは、DevOps環境下でのインシデント管理をはじめ、システムの可用性を高めるためのベストプラクティスを紹介しています。

    以下では、障害対策やSREの実践方法について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
    理想的な障害対応の流れとは?〜6つのStep、6つのポイント〜
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