2025年04月24日(木)12:00〜開催
日本語で詳説
「人間とAIの協働による運用革命」
〜AIと自動化で実現する次世代運用〜
「PagerDuty on Tour TOKYO 2025」で大好評を博したセッション「あなたの運用は未来に対応できていますか?AIと自動化で実現する次世代運用」および 「セルフサービスで実現する自動化のオーケストレーション」を振り返ります。
AIは、オーダーメイドのパーソナライズ化された体験の実現、業務の自動化、さらには予測分析に至るまで、すでに多くの企業でより良い意思決定のために活用されています。
かつてはブレインストーミングや未来を見据えた議論で使われるだけの流行語でしたが、今やAIは現実のテクノロジーとして企業の運営方法を大きく変革しています。
最初に、生成AIがこの革命の火付け役となり、その急速な普及によって人々の創造性や働き方が劇的に変わりました。そして今、企業は次なる革新の波、すなわち「AIエージェント」を迅速に取り入れ、業務効率をこれまでにない水準へと引き上げようとしています。
多くの企業がまだAI戦略の実験段階にある中、Wakefield ResearchとPagerDutyの最新調査によれば、AIエージェントはもはや未来の概念ではなく既に実現しており、先見の明ある企業がその導入で前例のない効率化を果たしていることが分かりました。
目次
これまでの数年間、AI搭載のアシスタントは、繰り返し行われる作業の自動化や業務フローの最適化を支援してきました。しかし、これらのシステムには常に限界がありました。事前に設定されたルールに従い、スクリプト化された応答を実行するため、プログラムの枠を超えた状況では常に人間の介入が必要だったのです。
この状況が一変しようとしています。AIエージェントは、単なる補助役ではなく、自律的に行動できる新世代のAIです。従来のツールと違い、独自にデータを収集し、文脈を分析したうえで意思決定を行い、必要なアクションを実行する能力を持ちます。その大きな特徴は「積極性」にあります。指示を待つだけでなく、潜在的な機会を発見し、業務プロセスを自ら最適化、問題が大きくなる前に先手を打って解決するのです。
ワークフローを常時監視し、非効率な点を遅延が生じる前に察知、自動で是正措置を講じるAI搭載の同僚がいる様子を想像してみてください。
例えば、サプライチェーン向けのAIエージェントはリアルタイムの需要変動に合わせて在庫管理を動的に調整し、欠品や過剰在庫を防ぎます。IT運用を支えるAIエージェントは、潜在的なシステム障害を予見してトラフィックを最適に再ルーティング、場合によっては人間の介入を待たずに自動修復することも可能です。また、顧客サービスの分野では、文脈を理解した上で複雑な会話にも対応し、過去のやり取りから学習してよりパーソナライズされた効率的なサポートを提供します。
実際、米国、英国、オーストラリア、そして日本の計1,000名のITおよびビジネス部門の幹部への調査では、51%の企業がすでにAIエージェントを導入しており、さらに35%が今後2年以内に導入を計画しているとの結果が出ています。つまり、全体の86%に上る勢いでAIエージェント採用が進んでおり、AIエージェントは現在最も急成長している技術のひとつとなっているのです。企業がAIエージェントの力を積極的に活用する中、未来は自律性に根ざしていることが一層明らかとなっています。
2022年11月、ChatGPTの登場はまるで金鉱発見のような騒ぎを巻き起こしました。短期間で多くの企業は生成AIを業務に取り入れ、新たな効率性と革新を追求して急ピッチで導入を進めました。2024年半ばには、生成AIの活用率は飛躍的に伸び、McKinsey & Companyの報告によれば、2023年には33%だった各企業の業務機能での生成AI利用率が、2024年7月にはなんと71%にまで増加しています。
しかし、AIのスケールアップはスピードだけでなく、慎重さが必要です。多くの企業は、あまりにも急いで導入した結果、ツールに過剰投資してしまったり、適切なインフラが整備されていなかったために、期待通りの投資回収(ROI)を達成できなかった苦い経験を持っています。次のフェーズとなるAIエージェントの到来に際して、企業はこれらの貴重な教訓を活かし、AIの正しい活用方法を慎重に設計しています。
AIエージェントを単なる流行として捉えるのではなく、業務自動化と意思決定の根本的な変革と捉え、計画的な投資と確実な実行が不可欠だと認識しているのです。実際、調査対象のリーダーの44%はAIエージェントが生成AI以上の影響をもたらすと考え、94%は生成AIよりも迅速にAIエージェントを導入する予定だと回答しています。
企業がAIへ投資する理由は、単に最新技術に乗るためだけではなく、具体的な財務リターンを狙うためです。その期待値は非常にハイレベルです。
これらの予測は、生成AIですでに示された平均152%のROIという実績に裏打ちされたものです。AIエージェントは、業務プロセス全体の自動化を推進することで、その効果をさらに拡大していくと期待されています。
AIエージェントのもたらすメリットは明らかですが、一方でその自律性の高さに伴うリスクも企業は十分に認識しています。AI搭載のソリューションが広く採用される中、スムーズで安全な移行を実現するためには、いくつかの重大なリスクに対応することが不可欠です。
具体的には、セキュリティの脆弱性が45%、AIを狙ったサイバー攻撃が43%と、重大な懸念事項として挙げられています。AIエージェントに多くの自律性を持たせると、その能力を悪用するサイバー攻撃の危険性が増すため、企業はサイバーセキュリティ対策を最優先に進める必要があります。また、AIの業務統合が進む中、GDPRなどのデータプライバシー法や各地域の規制に準拠するためのガバナンス体制の整備も急務となっています。
PagerDutyのAI搭載ソリューションは、異常検知やサイバー脅威の緩和、そしてAIモデルの安定運用の実現など、こうしたリスクに対する対策を支援します。これにより、企業は安心してAIエージェントの導入を進めることが可能となるのです。
多くの企業がまだAI戦略の設計段階にある今、今回の調査結果から得られた洞察は明確です。AIエージェントは急速に普及しており、その導入を後回しにすれば、すでに実装して効果を享受している競合他社に大きく遅れをとる危険性があります。
AIを単なる生産性向上ツールと捉えるのではなく、企業運営の根幹を担う要素として位置づけ、堅牢なAIネイティブなデジタルオペレーションプラットフォームを構築する企業こそが、今後の競争で大きな優位性を得ることができるでしょう。
詳細な調査結果とその手法については、ぜひこちらのブログ記事をご覧ください。まだAIのロードマップを策定中の企業も、PagerDutyのAIエージェントによって業務の改善効果を実感できるはずです。
PagerDutyのAIエージェントソリューションが、あなたのビジネスにどのような革新をもたらすのか、ぜひ詳しくご確認ください。
「PagerDuty on Tour TOKYO 2025」で大好評を博したセッション「あなたの運用は未来に対応できていますか?AIと自動化で実現する次世代運用」および 「セルフサービスで実現する自動化のオーケストレーション」を振り返ります。
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